第18回
スミレと鳥の関係
2013.03.26 [西原 升麻]
今回は、またスミレの話なので(※)、再び「スミレ」と「ショウマ」に登場してもらいましょう。
(※)第6回「スミレのつぶやき」参照
@スミレ:ごぶさたぁー。そろそろ私の季節だよね。少し暖かくなってくるとウズウズしちゃう。
@ショウマ:活発に活動できるから?それともしゃべりたくてかな?
@スミレ:うーん、どちらもってとこね。まだ言い足りないことや紹介したい花があって…。
@ショウマ:言い足りないことってどんなことなの?
@スミレ:花の図鑑は普通、季節別や地域別、また山や野原のように場所別で書かれていることが多いんだけど、スミレは種類が多いので、スミレだけの図鑑があるのよ。
@ショウマ:へぇー、そうなんだ。
スミレの図鑑は種類がいくつも
確かに多くの植物図鑑は、「春の花」「夏の花」また「尾瀬の花」「八ヶ岳の植物」のように季節や地域ごとにまとめられています。
それに対し、「スミレ図鑑」はスミレの花だけの図鑑です。ランやバラなどの人気園芸植物も、それに特化した図鑑があるようですが、自然の山野草で単独の花図鑑がいくつもあるのはスミレくらいでしょう。
@スミレ:そういうわけで、私の仲間にはいろいろな名前があって、覚えるのに苦労するくらいよ。
@ショウマ:前に紹介してもらったのは、タチツボスミレ、フジスミレ、アカネスミレ、ヒゴスミレなどだったけど、ほかにはどんなものがあるの?
@スミレ:そうね、たとえばアケボノスミレかな。アケボノは漢字で書くと「曙」。夜明けの明るくなりつつある雰囲気にちなんでつけられたようね。ほかのスミレのように白や紫でなく、薄紅色っていうのがポイントで、アケボノスミレの名前にびったりでしょ?
@ショウマ:確かにビンクっぽい色は紫の色に比べてほのぼのとして、優しい感じがするね。
優しい色のアケボノスミレ
初日の出のときに見えた桃花色の雲
普段は紫や白のスミレの花ばかり見るので、ピンクのスミレがあるとすぐ目につきます。
「曙色」というと、オレンジ色がかったピンク色や、欧米の伝統色・オーロラ色のことを指したりするようですが、ここでいう「曙色」はもう少し桃色に近いイメージのようです。
実際に、初日の出のときの写真と比較してみました。
撮り方によってオレンジっぽい色にも桃色っぽい色にも見えますが、その中で雲の色が桃色っぽく見えるものがありました。これなら、アケボノスミレのイメージに近い夜明けの色なのかもしれません。
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