第21回
見られそうでなかなか見られなかった里の花、オドリコソウ
2013.06.25 [西原 升麻]
大きさの比較で、ヒメオドリコソウを
真ん中下に配置してみました
そう。オドリコソウは、山野草としては割合大型なのです。
もっと大きな山野草であるシシウドやマルバダケブキ、バイケイソウなども山へ行けば結構あるのですが、オドリコソウもその辺の山野草としては大きい方で、背の低いものが多いシソ科の中では高さが際立ちます。同じ仲間のヒメオドリコソウやホトケノザが10cmくらいなのに対して、オドリコソウは60cmくらいあります。
このヒメオドリコソウという花は、日本のものではなくヨーロッパ原産の帰化植物です。本当にどこででも見られ、最近では雑草化していることも多いようです。
左がヒメオドリコソウで右がホトケノザ
同じオドリコソウでも、ヒメオドリコソウからは踊り子のイメージはわきませんし、オドリコソウよりホトケノザに感じが似ています。しかし、本物のオドリコソウを見れば、なぜ「踊り子」なのかが一目で分かります。
本当に笠(かさ)をかぶった踊り子のようなオドリコソウ
これほど姿と名前がぴったりの花も珍しく、見れば見るほど納得してしまいます。 ずいぶんしゃれた名前なので、最近付けられた名前かと思いましたが、思ったより前から付けられていたようで、正徳2年(1712年)の「和漢三才図絵」に載っていました。名付けの理由として「人、笠(かさ)を着て踊るに似たる」とあります。
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