第22回
名前が気の毒な花(ハエドクソウ、ヘクソカズラ)
2013.07.23 [西原 升麻]
昔は男の子なら名前は○男、○夫、○雄、または1文字の漢字、女の子なら定番の○子が多かったと思います。最近は男の子も女の子も2文字の漢字が多く、読み方も少し凝ったものになっています。人間の場合はお父さんやお母さんが一生懸命考えて名前を決めますが、植物の場合は名前はいろいろな付け方があるようです。
植物には学名と和名の二種類の名前があって、我々になじみがあるのは和名ですが、中には結構変な名前もあります。
ハエドクソウはとにかく目立たない花で、
少し離れていると気付きません
変な名前の一つに、ひどいというか気の毒な名前の花があります。
それは、ハエドクソウ。漢字で書けば、蝿毒草。
蝿に毒。見てみたいとも思えない名前です。しかし一度でもこの花に出合うと、その考えは一変します。
とにかく、花は変わっているのです。山へ行けば道の端などでも見られます。しかし、少し離れたところから見る限りは「ただの棒」。そう、棒状の枝がすっと上に伸びているようにしか見えないのです。
よく見ると、枝のところどころに赤い点が見える程度で、花かつぼみか、それとも実なのかよく分からないほど小さい花です。
これがハエドクソウの花、
アップにしないと分かりません
この花は、近寄っても人間の目ではかろうじて花と分かるほどの小ささです。
こういうときこそデジカメが威力を発揮する…と言いたいところですが、このような花は撮るのに非常に苦労します。デジタル一眼+マクロレンズなら少しは撮影が楽になりそうですが、コンパクトのオートフォーカスでは100回撮ってもピントは合わないかもしれません。
花が小さいので、マニュアルフォーカスでもピントが合っているのか合っていないのかがよく分からず、苦労しっぱなしです。なんとか撮れたのがこの写真ですが、それでもはっきりしないところも残ります。
ハエドクソウの葉と花
このハエドクソウ、花と葉のバランスが悪いというか、花の小ささに比べて葉が妙に大きいのです。この写真を見れば分かる通り、花も葉もはっきりと分かるように撮るのはとても難しいことです。
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