第1回
仏法のふんいきを漂わせる花-レンゲショウマ
2013.12.11 [西原 升麻]
@スミレ:ハ~イ元気?
@ショウマ:あれ? スミレの花はもう終わったんじゃないの?
@スミレ:まあ、そうかたいこと言わないで。だって今日はショウマの話なんでしょう?
@ショウマ:ショウマではなくて、レンゲショウマの話なんだけど…。
@スミレ:あら、ショウマってただのショウマではないの?
@ショウマ:ショウマと言ってもいろいろあるんだ。何々ショウマというショウマがつく植物はけっこう多いんだよ。
レンゲショウマの花
レンゲショウマは山の中でも、陽のよくあたるところはあまり好みません。柔らかい光の中でうつむき加減に咲く、うす紫の姿は優雅で気品がある花です。
@スミレ:あら、ショウマってネクラだったの? だからおとなしいんだ。
@ショウマ:ネクラはやめて! 君がおしゃべりなだけだよ。元々暑いのは苦手で、夏の光も、高温も困るのさ。
レンゲショウマは氷河期の生き残りだと言われています。ただ、低温が好きというわけではないので、氷河期時代に寒さを逃れて大陸から日本へ渡って来て、気温が上昇したあとも冷涼なところにそのまま留まったのかもしれません。
@スミレ:そうか、お主は氷河期時代の落ち武者じゃったのか。明るいのが苦手なのも理解できるぞよ。
@ショウマ:落ち武者はよしてよ。話は戻るけど、ショウマのつくものは他にも、サラシナショウマ、トガクシショウマ、トリアシショウマ、などいろいろあるんだ。しかも種類が違っているというから驚きだと思わない?
@スミレ:ふ~ん、確かに驚きね。でもどうして違う種類なのに同じショウマが付くの?
@ショウマ:ん? ハハハ、そうだよね。う~ん…。
ショウマくん言葉に詰まったようです。ショウマは漢字で升麻と書きます。升麻は漢方ではサラシナショウマ及び近縁の植物の根茎を指し、漢方でいう陽気を上升させる(高める)作用があるとされています。
江戸時代に漢方で升麻が流行ったのか、サラシナショウマの葉に似ているものいろいろにショウマがつけられたという話もあります。
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