第12回
ビロードモウズイカとはまた変な名前ですが…
2014.11.17 [西原 升麻]
ビロードモウズイカは山の中よりも人家の近くで見かけ、私が歩くところでは川の土手などに多く見られます。他の地域では、道路沿いや荒れ地でもよく見掛けますが、大きくて、容姿ならぬ草姿端麗なものは意外に少なく、小さかったり、曲がっていたり、細かったりして、円錐状の凜とした姿のものは案外見掛けないものです。端正な姿のものに出会えたらラッキーだと思ってください。
これはけっこう美形ですが、脇の花穂がなければもっと良かったかもしれません
西洋のビロードモウズイカは何となく直線的
この植物は成長する前には、ロゼットの状態になっています。ロゼットとは地面にへばりついたような平べったいバラの花形状を言うのですが、これも日本の野草と比べると超大型でしかも幾何学模様のようになっているので花が咲いていなくても見応え充分です。
日本にもザゼンソウのように葉が幾何学模様的なものもありますが、曲線的なのは文化の差が反映したようで面白いと思います。
日本のザゼンソウは曲線的な模様です
今は街の雑草ですが、明治初期、日本にやって来たときは観賞用として扱われていたのです。園芸植物として続かなかったのは日本の庭が狭すぎたのでしょうか? 最近は外来植物が問題視され、環境省も今年から侵略的外来種リスト作成を検討し始めたようです。ただ、この花にとっては幸いなことに今のところそのリストからは外れているようです。
ビロードモウズイカは外来種ですが、最近のものと違って日本の山野草図鑑にも載っています。いつの日か、日本の植物になっている時代はやって来るのでしょうか?
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