第13回
七草のホトケノザ
2014.12.17 [西原 升麻]
育ったらヤブタビラコの花でした
ところで、七草のうちホトケノザは一番手に入りにくいと言います。確かに、私が歩くその辺でも見かけることはありません。田んぼが減っているせいでしょうか?
しかし、このごろは街の中で見掛けるようになりました。それもスーパーの野菜売り場でです。七草セットなるものをお正月に販売するようになったのです。最初見たとき、売れるのかな?と思ったのですが、根がついていたので思わず買ってしまいました。ホトケノザだけは食べないで育ててみたところ、一つがなんとか育って花をつけました。確かにニガナのような感じの花です。
こちらがコオニタビラコの花
しかし、どこかコオニタビラコと違います。調べてみると、コオニタビラコの兄弟とも言えるヤブタビラコで、少しがっかりしました。ただ、翌年のものには但し書きとして「同種のヤブタビラコが含まれていることがあります」がさりげなく追加されていたので、食べるにはほとんど同等だということです。
こうなるとまるで運試しみたいですが、翌年再び育ててみたところ、今度はどうやら本物でした。
花の大きさと花びらの数が違います。コオニタビラコの方が花が大きく花びらの枚数が少ないですね。ヤブタビラコを混ぜなければならないと言う事は、案外育てるのは大変なのでしょうか?
スーパーで売っていた七草セット(の箱だけですが)
水栽培中の昔のホトケノザ
このコオニタビラコが昔のホトケノザだと言いましたが、その昔は七草の説がいくつかあり、タビラコとホトケノザが別物とするものもあったそうです。
・セリ、ナツナ、五行 、タヒラク、佛ノ座 、アシナ、ミミナシ
・芹 、五行 、なつな 、ハコヘラ、佛ノ座 、スヽナ、ミヽナシ
・芹 、なつな、こきやう、たひらこ、ほとけのさ 、すヽな、すヽしろ
などの説もあり、この他にもいろいろあったようです。
ロゼットは他にも多く見られます
ヤブタビラコもよく似ていて食べられるのなら、ホトケノザは特定のものでなく、複数のものを指していたのかもしれません。そもそも、早春の野草は多くがロゼット状の平たい形をしているので、こう言う形の食べられるものの総称という考えがあったとも考えられます。当たり前のことは、いちいち記録に残さないと言う常識もあるのでそういうことが伝わらなかったのかもしれませんし…。などと勝手なことを七草がゆを食べながら考えても楽しいと思います。
七草セットは、また試そうと思っていますが、本物のホトケノザか、はたまたヤブタビラコになってしまうかは育ってからのお楽しみ?です。
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