第5回
電子書籍を自分で作る! “自炊のススメ”
2011.06.21 [原 如宏]
自炊に欠かせない“2つの道具”
電子書籍を作るには、2つの道具が必要になる。1つは、数十枚の書類を一度に取り込み、PDF形式などの文書ファイルへと変換してくれる「ドキュメントスキャナー」(「シートフィードスキャナー」とも呼ばれる)。定番は、PFUの「ScanSnap S1500」。このほかにもキヤノン「imageFORMULA DR-C125」やセイコーエプソン「Offirio ES-D200」など、同様の製品が販売されている。
もう1つの道具は、電子化する書籍や雑誌を1枚単位に切りそろえる「裁断機」だ。筆者は、自炊ユーザーに人気が高いプラスの「PK-513L」を愛用している。業務用に近い商品で、サイズが大きくて重い。家に置いておくには、かなり邪魔になるのだが、切れ味優先で選んだ。結果、非常に満足している。100ページほどの無線綴じの雑誌(背表紙部分を接着して製本された雑誌。「平綴じ」ともいう)なら、1度の作業でスパッと背の部分を切断できる。
取り込む書籍や雑誌を1ページごとに切り離してしまえば、あとの作業は簡単。ドキュメントスキャナーに用紙をセットし、PDF形式で取り込むだけ。取り込み速度が速い、セイコーエプソン「Offirio ES-D200」を使った場合、100枚ページ分を数回に分けて取り込んでいっても、20分程度で電子書籍が完成する。
雑誌や書籍をデジタルデータに変換し、iPadなどで読めるようにすることを、一部で“自炊”と呼ぶようになった
自炊に必要な機器が、書類をPDFデータに変換してくれるドキュメントスキャナー。上の写真は、セイコーエプソンの「Offirio ES-D200」。1枚ごとに切り分けた書籍や雑誌をセットしたあと、スキャンボタンを押すと一度に数十ページ分を取り込んでくれる
もう1つ、自炊するときにあると便利な機器が「裁断機」。書籍や雑誌の背表紙を切断することで、シートフィードスキャナーにセットできる状態になる。自炊ユーザーに人気の高い裁断機は、プラスの「PK-513L」
100ページほどの雑誌なら、このように背表紙部分が気持ち良いくらいにスパッと切断できる。ただし、厚みのあるハードカバーや金具で留めている雑誌は、複数に分割したり、金具を外すといった下準備が必要になる
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