第4回
テレビが電話になる! ネット機能の充実を図るデジタル家電
2011.06.07 [原 如宏]
リビングに設置したテレビが“テレビ電話”になる。
筆者にそんな思いを強く感じさせたデジタル家電がある。パナソニックが今年2月に発売したBlu-rayレコーダー、「DIGA DMR-BZT800」(実売価格:16万900円)だ。本来はテレビ番組を録画するためのデジタル家電だが、このDMR-BZT800は単なる録画機にとどまらなかった。
目を見張ったのは「無線LAN機能」と「ネット機能の充実」だ。これまでBlu-rayレコーダーや大画面テレビなどのデジタル家電は、インターネットに接続するためにLAN端子を搭載してきた。しかしLAN端子だと、有線LANケーブルで本体とルーターをつなぐ必要がある。このため、部屋の中にLANケーブルを敷設してまで、デジタル家電をネットに接続しようという気分になれなかった。
最新DIGAシリーズには、紹介したDMR-BZT800をはじめ、最上位モデルのDMR-BZT900、1つ下になるDMR-BZT700の計3モデルに無線LAN機能を搭載した。筆者は、無線LAN対応という一報を聞いて、ようやくネットにつなぎやすいデジタル家電が登場した! という印象を持ったのだ。
スカイプに完全対応! 留守録もできる
デジタル家電をインターネットに接続して、何をするのか? そう疑問に思われる人もいるだろう。パナソニックのDIGA DMR-BZT800では、「アクトビラ」や「ひかりTV」、「NHKオンデマンド」などの動画配信サービスに対応している。インターネット経由で映画やテレビ番組を見られるわけだ。
ここまでは従来と同じ。驚いたのは、インターネット回線を利用する無料通話ソフト「スカイプ」の対応だった。別売のコミュニケーションカメラ「TY-CC10W」(実売価格:1万7800円)を、DMR-BZT800のUSB端子に装着するとスカイプが利用できる。冒頭に述べたように、テレビをテレビ電話として使えるようになるのだ。
実際にDMR-BZT800を使ってみると、積極的にスカイプ対応を進めたことが分かる。何しろ、リモコンにはスカイプを起動する専用ボタンがり、本体の電源を切ってもスカイプをオンライン(通話の待ち受け状態)にしておけたり、内蔵HDDを利用した留守録機能も用意されているのだ。
さらに友人や家族から通話の要求が届くと、本体前面パネルに「着信」のランプが点滅し、アラームも鳴る。これなら、固定電話の代わりに使えるかもしれない……と思えるほどの充実ぶりだ。
難は、常時スカイプにログインした状態にしておくと、待機電力が上がってしまうこと。利用しない深夜や電力使用量が高まる時間帯などはスカイプからログオフし、待機電力を抑えるエコ機能があると使いやすくなっただろう。今後の製品に生かしてもらいたいところだ。
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