第17回
その16 “果実との交換(10)” –果実の育成法 (1)–
2012.01.24 [山田 英次]
自分が凡人である事を認める
さて、2012年以降の資産運用において、よい結果を求めていく為に必要な心構えをもう1つお伝えしたいと思います。
それは、『自分が凡人であることを認めること』です。
例えば、このコラムをご覧下さっている方の中には、サッカーが好きな方がいるかもしれません。一部の例外を除けば、大抵の人は、単に趣味の範囲でサッカーを楽しんでいるだけで、実際にプロの試合に参加できる技量は持っていないかと思います。また、多くの場合、そのことを、本人が認識しているはずです。結果として、ほぼすべての人は、仮にテレビでワールドカップの試合をみて興奮することはあっても、自分が代わりにプレーして活躍できるとは思っていないと思います。
これは、当たり前に感じるかもしれませんが、なぜか、資産運用の場では、自分がプロの投資家と対等に戦えるという大きな勘違いをしてしまう方が続出してしまっているのが現状です。
ですが、実際のマーケットは、にわか仕込みのノウハウや必勝法が通じるほど甘くはありません。サッカーのルールに精通したところで、プロと同じ土俵に立つことができないのと同じで、資産運用の場においても、数冊のノウハウ本を熟読し、多少のノウハウ共有を知人友人と行ったとしても、それは、プロからすれば、ママゴトのレベルだと感じる程度のものでしかありません。
悪い意味ではなく、一般の方が資産運用でよい結果を導き出そうとする為には、まずは、『自分が凡人であることを認めること』が大切であり、自分がプロとは対等に戦えるだけの知識、経験、資金力、情報収集能力のいずれも持っていないことを素直に認める姿勢が必要とされるのです。
皆さんには、改めて、資産運用に真剣に臨むプロの投資家と比較して、勝る能力を持っているか否か、考えるところからスタートしていただきたいと思います。
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