ノウハウ本の落とし穴

蛇足ですが、本屋に行けば、沢山のノウハウ本が並んでいますが、その中には、以下の様な2種の性質のものがあるので、少しの注意が必要かと思います。

≪①単なる自身の幸運を語っているだけの経験本≫

じゃんけんで10回連続勝つ人は、約1000人に1人発生します。
(2の10乗=1024ですから、正確には1024人に1人の確率となります。)
つまり、資産運用にチャレンジしている人を1000人集めれば、そのうち1人は、『自分が選んだ株は10回連続で値上がりした』と吹聴することが出来る事になります。
もし、100万円持っている人が、10回連続で2倍になる株と出会ったとするならば、その人の資産は、軽く10億円を超えてきます。
このような幸運の持ち主の中には、それを偶然ではなく必然だと思いこんでいる人もいます。
皆さんが手に取る本が、そのような方が書いた、普遍性のない幸運をノウハウとして伝える性質のものでないことをお祈りいたします。

≪②プロの餌食を量産する為の本≫

ちょっと学べば、だれでも勝てるようになりますよ、という類のものです。先ほどもお伝えしました通り、プロがしのぎを削っているマーケットに参加してよい結果を出すためには、知識、経験、資金力、情報収集能力などの能力の他、冷静沈着な判断力や度胸なども求められます。
残念ながら、それらの能力を満たしている人が極々少数であることを知りながら、つまり、その本を熟読したところで、勝てる世界ではないことを知りながら出版している人たちもいるのが事実です。
ちょっと学べば、お小遣い程度は簡単に稼げます!というお話が本当であれば、現役サラリーマンの平均的な小遣いの額が、月額4万円を切るような事態(2011年)にはなっていないはずです。