負けないぞ!賢者の資産形成術

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第20回
その19“果実との交換(13)”-果実の育成法(4)-

すてきなポートフォリオと出会うために

では次に、どうすればPF1のようなすてきなポートフォリオと出会うことができるのでしょうか?

これはやはり、信頼できるアドバイザーや金融機関を見出すことですが、最近はインターネットでも推奨分散モデルを紹介するサイトを見かけるようになりましたので、こういったものも参考にしてみてください。

いずれにしても、「最少リスクで最大リターンを狙う」状態を維持しながら時を待つのが「負けない資産運用」においてとても大切なのですが、この当たり前のことができている投資家は、意外にも多くありません。

私のオフィスへ資産運用の相談にいらっしゃる方には、必ず下記の2つの質問をさせていただいているのですが、どんな答えが多いと思いますか?

質問1:どうしてこれらの金融商品を保有しているのですか?
質問2:投入金額は、どのように決定されたのですが?

最も多い答えは「なんとなく」で、これこそがうまくいかない原因なのです。

「なんとなく」の後に、例えば「運用に詳しい友人のアドバイスを聞いて」という言葉が続くこともありますし、「銀行や証券会社のアドバイスを聞いて」という言葉が続くこともありますが、いずれにしても、それらは実は何の根拠もなく、信頼度の低いアドバイスであることが多いのです。

そもそも皆さんが、資産運用に関して、プロ級の知識・経験・分析力を持った人と巡り合う可能性が極めて低いことを踏まえれば、これは仕方がないことかもしれません。また、ノルマや社内キャンペーンに拘束される金融機関に所属していながら、自分の成績より皆さんの成果を優先してアドバイスしてくれる良心をもった担当者と巡り会う幸運が、すべての人に訪れることも期待できません。

すしを食べに行ったとき、「お任せで頼むよ!」「今日は何がうまいの?」と気軽に言えるのは、自分の好みを知っている信頼できる店だけだと思います。素人が握ったすしはうまくありませんし、客の好みよりも在庫状況や利幅を優先してネタを勧めてくる店には近付かないようにするのと同じです。

さて次回は、前々回の比率維持、リバランスについて、その効果を具体的に検証してみたいと思います。

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