メリットを理解して実行しよう

さきほどのケーススタディで、「上昇相場においても負けていくこと」が普通にあり得ることに驚いた方も少なくないと思いますが、何度計算しても、リバランスをしないと損してしまいます。上昇中のファンドの一部を手放して、下落してしまったファンドに投入するのがリバランスですから、心理的ハードルが高いのは事実なのですが、一度根拠のあるポートフォリオを手に入れたら、感情を排除して頑張っていただきたいと思います。

そもそもポートフォリオ理論に基づく資産運用は、爆発的なパフォーマンスを追い求めるものではありません。手放したファンドが直後に飛躍したり、投入したファンドがすぐに下落したりする場面を目の当たりしたとしても、残念に思ってはいけないのです。

リバランスの目的は「負けにくい環境を維持すること」であり、言い換えれば「ハズレの少ない状態を保つこと」、「リスク(誤差・振れ幅)の小さい状態を保つこと」なのです。

まさしく「言うは易し、行うは難し」の世界ですが、皆さんにはぜひ実利(果実)を手に取っていただきたいと思います。