第1回
プロローグ “自立した投資家を目指して”
2011.04.12 [山田 英次]
自立した投資家を目指して
皆さんの資産形成がうまくいくかどうかは、恐らく、『皆さんの気持ち、感情』の問題です。
資産運用の意義や目的を正しく理解しているか、そして、自分が維持すべき基本ルール、基本スタンスの確認が出来ているか、という2点がクリアになっていれば、まず、問題なく、皆さんの目標は達成されるはずです。
但し、上記2点がクリアになっていたとしても、誰かに依存するタイプの投資家は、注意が必要です。このタイプの投資家は、結局、いつか『悪意をもった誰か』と出会い、利益の大半、場合によっては元本も含めてさらわれてしまう事になるからです。
今回のプロローグは、そうならない為のNGワードをお伝えして、お話を終えたいと思います。そのワードとは、『なにかお勧めの金融商品はありますか?』という類の言葉です。
この類の言葉を発している限り、資産運用でよい結果を導き出す事が難しい状況が続く事になるかと思います。
皆さんが野菜や肉、魚などを買う時、自分の目で見て、その良し悪しを判断するのと同じで、金融商品選びの場においても、自分の目で、判断して取捨選択をする事が求められるのです。
例えば魚屋で『なにかお勧めの魚はありますか?』と聞いた場合、良心的な店主であれば、今朝仕入れた魚の中で、本当にお勧めしたい魚を教えてくれると思います。ですが、そうでない店主の場合は、もしかしたら、昨日の売れ残りの魚を勧めてくるかもしれません。
金融商品のパンフレットが並んでいる場所(証券会社・保険会社・銀行・郵便局)でも、同じようなやり取りが日々行われています。この中で、私たちが取れる対応策は、自分で目利きする力を身につける、つまり、本当に自分にとってメリットのある金融商品かどうか選別する力を身につける事です。
次回からの連載で、この力を身につける為の知識の整理をしていきたいと思います。
一体、どこの畑(=マーケット)に大切な種籾(=投資資金)をまけば、いつ、どれくらいの収穫(=利益)を得る事が出来るのでしょうか。
このコラムは、未来の皆さんが、より多くの収穫を、安定的に手にすることが出来るようになる為のヒントをお話していきます。
コメント