第4回
その3 “資産形成の重荷”
2011.05.31 [山田 英次]
皆さん、こんにちは。
ファイナンシャルプランナーの山田英次です。
前回のコラムでは、皆さんの資産形成のスピードを加速させてくれる『複利の効果』についてお話しましたが、今回は、この『複利の効果』を敵に回してしまった場合について、考えていきたいと思います。
新入社員のころから比べれば、ずいぶんと収入が増えてきているにも関わらず、いつも、致命的とは言えないレベルの金欠状態が続いている人は、少なくないのですが、皆さんの周囲には、『いつもお金が足りない人』はいませんか?
さて、この『いつもお金が足りない人』は、なぜ、そのような状態になってしまったのでしょうか。以下のような答えを想像される方が多いと思いますが、そうではないのです。
- 社会人になって、お金のかかる遊び方を覚えたから。
- 背伸びをした住宅ローンを組んでしまったから。
- 子供の学費が予想外にかかるから。
もちろん、それぞれ環境も異なりますので、一概には言えませんが、『いつもお金が足りない人』が更に経済的窮地に追い込まれていく理由の一つに、『借金』があります。
昭和の時代に比べると、お金を借りるという行為にネガティブな印象を抱く人は随分と減ってきました。また、街を歩けば、誰にも会わずに、あっという間に、数十万円のお金を借りることができる環境も整ってきています。
もちろん、それらの金融サービスは合法ですし、否定するべきものではありません。大切なのは、その金融サービスを活用する際に、自身がどの程度のコストを負担しているかを、明確に数字(金額)で理解しておくことです。
しかし、実際には、金融サービスを活用する場合、つまり、借金をする場合に、そのコスト計算をする人は皆無です。とりあえず、その場を乗り切るために、手軽な方法で、資金を調達する人がほとんどなのです。
今回のコラムのテーマは、このコスト、つまり、多くの人が負担している『負の利息』となります。
アインシュタイン博士が『人類最大の発明』と評した複利の効果を敵に回してしまった場合のダメージを、数字で確認していきましょう。
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