第4回
その3 “資産形成の重荷”
2011.05.31 [山田 英次]
グラフから読みとれる事実は、以下の通りシンプルです。
『50万円の借金を完済する為には、月1万円ずつ返済すると79カ月、月2万円ずつ返済すると31カ月の時間がかかる』
これを具体的な金額として計算すると、
『50万円の借金を完済する為には、月1万円ずつ返済すると総額79万円、月2万円ずつ返済すると総額62万円のお金がかかる』
ということになります。
お金が足りないから借りたのに、月1万円の返済の場合は、借りたお金の約1.6倍、月2万円の返済の場合でも、借りたお金の約1.2倍の現金を支払うことになるわけです。ですから、このサービスを活用すればするほど、毎月の家計のやりくりは、厳しさを増していくことになります。
人と比べて、1.6倍の値段で、ものを買い、飲食を楽しんでいる状況に陥っている為に『いつもお金が足りない人』になってしまっている人は多いのですが、その原因に気づいている人は多くありません。
お金と付き合う際には、きちんと数字で理解してから判断する姿勢が求められるのです。
次回は
今回のコラムで、アインシュタイン博士が『人類最大の発明』と評した複利の効果を敵に回してしまった場合のコストについてご理解いただけたと思います。
前回までのコラムで、3%、6%。9%の複利の効果のパフォーマンスをご覧いただいた皆さんにとっては、金利15%の複利の効果を敵に回した場合の大きなコスト、ダメージは、言われてみれば、当たり前だったのではないでしょうか?(前回のコラムで、6%、9%で運用できた場合は、素晴らしい勢いでお金が増えていくことをご理解いただいたと思います。そして、今回は、その金利を上回る15%という金利のパフォーマンスを確認したわけですから、その負のインパクトが甚大なものとなるのは、至当なお話に感じると思います。)
次回からはいよいよ、この複利の効果を『正の利息』として、確保し、皆さんの未来の家計を、ゆとりあるものとする為の具体的手段について、お話を進めていきます。
『3%、6%。9%の複利の効果なんて、どこに行ったら手に入るのだろう?』
このようなご質問のヒントを差し上げていく予定です。
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