第5回
その4 “果実はどこにある?
2011.06.14 [山田 英次]
複利の効果を採りに行こう
さて、今回からは、もろ刃の剣である複利の効果を正しく味方につけるための手法にお話を移していきます。このコラムでは、複利の効果を『人生の果実』と位置付けたいと思います。(敢えて『採りに』行こう、と表現してみました。)
少し、いや、だいぶ前のお話になりますが、私が高校を卒業して大学生になったころは、確定利回りで5%を超えるような金融商品が、世の中にあふれていました。
今では想像がつかないかもしれませんが、銀行に行って定期預金を始めれば、タイミングによっては6%の金利を約束してもらえたのです。また、生命保険会社や郵便局で提供されていた養老保険では、定期預金の金利を上回るパフォーマンスのものもありました。
ただ、残念だったことに私は、まだ学生だったので、大したお金を持っていませんでしたし、そもそも、6%の複利運用のありがたみなど、理解していませんでしたから、ポスターやパンフレットを見ても、全く興味を持ちませんでした。
今となっては、当時の自分に全力で資金を投入するようにアドバイスしたいと思いますが、20代のころの私は、これも残念なことなのですが、『全力で消費する男』でしたから、きっと聞く耳を持たなかったと思います。などという、余計な自己紹介はさておき、このコラムの連載が始まってから、皆さんから、メールをいただくようになりました。その中で、多くいただいたのは以下のようなメッセージでした。
『理論は分かったが、2011年現在、どこにも3%や6%の確定利回りの商品は存在しないので、無意味なのではないか』
ご意見は、ごもっともで、確かに、このご時世、高利回りを保証してくれるような素敵な金融商品は存在しません。
でも、誰も保証をしてくれないからといって、自分の高利回り運用を諦める必要はないのです。保証はなくても、結果、正の複利の効果が採れれば、それでいいのです。
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