第5回
その4 “果実はどこにある?
2011.06.14 [山田 英次]
なぜ、お金を預けている?
最近、様々な商品の販売において、流通経路を省き(コストダウンを図り)、安価で良質なものが提供される、つまり、消費者にメリットがもたらされるような事例が増えてきました。実は、皆さんが金利を採る場合においても、同じような考え方ができます。
結論からお伝えすると、私たちは、『金利の源泉に近付く』ことにより、高い利回りを採ることができます。ただ、その為には、少々の冒険をする必要がありますし、その過程には、リスクも存在しますので、注意が必要です。
では、『金利の源泉に近付く』には、具体的にはどうすればよいのでしょうか。
その答えを考えるための第一歩は、以下の質問の答えを考えることとなります。
『なぜ、銀行や郵便局にお金を預かってもらっているのですか?』
いかがでしょうか?
このコラムをご覧いただいている読者のほとんど全ての方が、銀行や郵便局、または双方に口座を持っていることと思います。皆さんは、この質問に即答できますか?
私が主催するセミナーでも同じ質問をすることがありますが、多く聞かれる回答では、以下のようなものがあります。
●家においておくと火事や泥棒の被害にあう可能性があるから
●銀行においておけば、地方出張の時でもコンビニでおろせるから
●金額は小さいけれど、利息をつけてくれるから
●水道光熱費や新聞代の自動引き落としが便利だから
さて、どれも、ごもっともに感じる理由なのですが、皆さんが、まっとうな社会人であるならば、本来は、これらの『金融機関にお金を預ける理由』に、強い違和感を抱いていただきたいのです。
もし、皆さんの中に、まったく違和感がないという方がいらっしゃったならば、今後の人生を、すこし注意深く歩んでいただく必要があるかと思います。(『資本主義経済の落とし穴』に、はまってしまう可能性があります。)
少し、意地悪なお話になりますが、この『お金を預ける話』を小学生に、以下のように説明すると、ほぼ100%の子が、『なんで?』とか『そんなはずはない』と言うのですが、皆さんはいかがですか。
大切なお金が家事や泥棒にあって無くなってしまうのは困るし、遠くに行っても手数料無料で下せるのが便利だし、毎月の色々な支払いが自動的にできてしまうので、本来、赤の他人である金融機関にお願いして、お金を大事に保管してもらっているのだけれど、なぜか、毎年、利息と言うお小遣いをくれるんだよ。
普段、当たり前のように銀行や郵便局と付き合っている人が多いのですが、やはり、このような説明をされると、『何かがおかしい』と感じますよね。
皆さんが、お金以外のものを、例えばトランクルームや、駅のコインロッカーなどに入れて、大切に保管をしてもらう、つまり、預かってもらうと、どうなるでしょうか?
定期的に保管料を請求されるのは、皆さんですよね。
小学生たちが『なんで?』とか『そんなはずはない』と、言っている理由はシンプルで、
なぜ、お金を預かってもらっているのに、保管料を払わないどころか、利子というプレゼントがもらえるのか?
という疑問が生じているからです。
次回は、この疑問に対する答えを考えながら、『金利の源泉』について、お話をしていきます。
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