第6回
その5 “果実の実る場所” –高金利の源泉–
2011.06.28 [山田 英次]
間接金融
まず、考えていただきたいのは、銀行は、いったい何のために皆さんからお金を借りているのか、ということです。その理由は、シンプルで、『また貸し』する為だといえます。
つまり、銀行は、皆さんが『貸してあげた』お金を原資として、他の人に、貸しているのです。
イラストでイメージを確認してみましょう。
イラストの中央は銀行、そして、その左側に位置しているのが、私たちです。
(矢印①)私たちは、預金という名目で、お金を銀行に貸してあげています。
(矢印②)銀行は、そのお金を第三者に『また貸し』します。
(矢印③)お金を借りた第三者は、銀行に『元本と金利』を返済します。
(矢印④)皆さんは、『元本と金利のごく一部』を返済してもらいます。
このイラストの『また貸し』する相手の1つは日本国です。銀行は、皆さんの預貯金を原資として、日本国にたくさんのお金を貸してあげているのです。もちろん、日本国だけではなく、住宅ローンを借りたいと思っている個人や、運転資金を融通したい企業などに銀行は、お金を『また貸し』します。
このようなお金の流れ、つまり、今すぐ使わないお金を持っている左側に位置する人や企業などと、今すぐお金が必要な国、企業、個人との間に、金融機関が位置するお金の流れのことを『間接金融』と呼びます。(間接金融の②の場面においては、『貸す』以外の方法で、資金が供給されることもあります。)
(参考)
銀行が、日本国にお金を貸す行為を言い換えると『銀行が国債を保有する』ということになり、その金額は、現在150兆円を超えています。国の財政が危機的状況であることは皆さんご存知かと思います。多くの国民の預貯金が、銀行を通じて、『また貸し』されることによって、日本国の財政を支えていることは、知っておく必要があります。
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