第6回
その5 “果実の実る場所” –高金利の源泉–
2011.06.28 [山田 英次]
直接金融
それでは、イラストの『②と③の矢印が位置する場所』にあるはずの果実を、私たちが手に入れるためには、どうすればいいのでしょうか。
この答えは簡単です。
先程のイラストでは、間に銀行が位置していましたが、これを省略して、直接資金を供給すればいいのです。
お金の流れは、次のイラストの通り、非常にシンプルなものとなります。
左側に位置する私たちが、直接資金を右側に位置する資金需要を持っている人、企業、国に供給(①)して、直接、高い収益を確保する(②)流れになります。このようなお金の流れのことを、直接金融といいます。
これなら、間接金融と違って、資金を提供している左側の人たちも、きっと、満足できるのではないかと思います。果実の実る場所は、意外と身近にあり、そこにアプローチするのも比較的容易なのです。
ただし、非常に重要な注意点があります。以下2点は、必ず最初に確認しておいて下さい。
→資金を供給する相手を選択するのは、左側にいる人たちの責任となります。
相手が夜逃げや倒産してしまった場合、甚大なダメージを受ける可能性があります。
→どの程度の収益があがるかは、確定されておらず、また、誰も保証してくれません。
つまり、果実に毒が含まれている可能性があるので、選別する必要があり、また、どんな味がするか、どの程度甘いかも分からないということを覚悟しておく必要があるのです。
この覚悟ができる人が、果実に手を伸ばす権利を持っている人、つまり、直接金融の世界で、高利回りを狙う権利を持っている人だといえるのですが、皆さんは、この覚悟を持つことができますか?
次回は
直接金融における資金の供給方法は、大きく分けると2種類あります。
次回は、この2種類の供給方法について触れていきます。
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