第7回
その6 “果実の代償” –高金利は何の見返り?-
2011.07.12 [山田 英次]
資金の提供
まず、大切なお話となる、皆さんのポジションの確認のおさらいをしておきましょう。
前回のコラムでお伝えしたのは、私たちが銀行にお金を入れておく行為を、一般的には、お金を預かると書いて『預金』と言い、本当は『預かってもらっている』のではなくて、『貸してあげている』ということでした。
銀行預金者は、資金の供給者として、銀行から僅かばかりの金利をもらっている立場にあり、その金利が僅かなのは仕方がないこととお話しましたが、その理由を覚えていますか?
それは、銀行預金者が、元本保証の安心感と引き換えに、利益の大半を自ら放棄しているからでした。
つまり、どのような『交換』がなされたのかというと、以下の①と②の交換だといえます。
① 資金の供給
② 元本保証の安心感 + 僅かな利回り
この②の部分から、『元本保証の安心感』を削除し、『僅かな』を『高い』に置き換える行為が、資産運用へのチャレンジ、言い換えれば、直接金融への参加といえるのです。
2つの提供方法
さて、この、直接金融における資金の代表的な提供方法は、大きく分けると、以下の2つに分類することが出来ます。
方法 その1 ・・・ お金を貸してあげる
方法 その2 ・・・ お金をプレゼントする
イラストイメージの右側には、資金を必要としている国や企業(法人)、そして、個人が位置しているのですが、貸金業を開業していない一般の方が、直接赤の他人(個人)にお金を供給して、高い利回りを獲得しようとする行為は、許されていません。(やれば、それは闇金融という事になってしまいます。)ですから、資金提供の対象は、国や企業ということになります。
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