負けないぞ!賢者の資産形成術

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第8回
その7 “果実との交換(1)” –債券投資 前編–

債券投資の準備と覚悟

一般的には『お金を借りた場合、後日、借りた元本と利子を返済する』ことになっています。この基本ルールに則って、国、公共団体(地方自治体)や企業が資金を調達する為の1つの方法として発行されるものが、債券と呼ばれるものです。この債券とは、お金を貸した人が手にする、(お金を貸したことの)証明書の位置づけになります。ですから、イメージとしては、借用証書となりますね。

この債券投資とは、『貸した相手が元気でいる限り』元本と利息がもらえることが確定している安定的な金融商品です。銀行よりも高い金利を得ることを期待できますが、『誰に貸す』のかということが、とても重要なポイントとなります。

例えば、銀行が皆さんの預貯金を『また貸し』する間接金融の一番分かりやすい例として、以下の住宅ローンの構図を考えてみましょう。

①Aさんが1000万円を金利0.02%の普通預金に預ける。
②銀行は、ワンルームマンションを購入したいと考えているBさんに1000万円を金利3%で『また貸し』する。
③1年後、Bさんは、銀行に30万円の利息を払う。
④1年後、銀行は、Aさんに2000円の金利を払う。

この流れだけをみると、④の場面で、もうちょっと金利を分けてくれてもいいような気がします。ですが、Bさんの返済に対して大きなリスクを背負っているのは銀行だけです。Bさんが完済してくれる保障はどこにもないので、Aさんは2000円で我慢しなくてはなりません。

銀行は、大きなリスクを、できるだけ小さくするために、Bさんにお金を貸す前に、きちんと審査をします。安定収入があるか、他に借金はないか、ブラックリストに載ったことがないかなど、各銀行それぞれのルールに則って、貸しても大丈夫なのか否かを判断するのです。

そして、銀行の責任において、『Goサインをだせる』人だけに、お金が貸し出されることになります。それでも、不景気が続く世の中では、完済してくれない人も出てきます。その場合、損失は、銀行が被ることになります。

お金を貸して、高い金利をとるからには、それなりの準備と覚悟が必要ということですね。

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