第8回
その7 “果実との交換(1)” –債券投資 前編–
2011.07.26 [山田 英次]
ここで、参考までに『スタンダード&プアーズ』の格付けの基準の一覧表をご紹介したいと思います。皆さんは、どの格付けまでであれば、安心してお金を貸すことができますか?
もし、『A』または『BBB』までという方がいらっしゃったならば、ぜひ、格付け会社のサイトで、自分が付き合っている金融機関(銀行・保険会社など)の格付けを確認されることをお勧めします。
皆さんが、よく知っている、有名な金融機関でも、意外と格付けが低いことがあるからです。間接金融の世界では、お金を預けるということは、お金を貸すことを意味します。自立した投資家を目指すのであれば、付き合う金融機関も自己責任で選定する姿勢を持っていただきたいと思います。
蛇足ですが、一般的には、格付けが低い投資対象ほど、高い利回りを提示する傾向にあります。これは、言われれば当たり前のお話で、仮に『AAA』の国と『BB』の国、つまり安心感が違う国が、同じ金利を提示したならば、資金が『AAA』に集中してしまうからです。
学生時代にキャンパスで『絶対倍にして返すから1万円貸して!』と頼んで回っているパチンコ好きの知人がいましたが、皆、怖がってしまい、お金を貸す人はいませんでした。高い金利は嬉しいのですが、お金を貸す時に提示されるあまりにも高い金利は、低い格付け(信用できない友人)の証と受け止められてしまうことがあるというよい例かもしれませんね。
次回は
基本的には、予め定められた期間、お金を貸すのが債券投資というものですが、場合によっては、途中で換金したくなることもあると思います。
次回は、借用証書の位置づけである債券を現金化する場合の考え方について、お話をしたいと思います。
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