第9回
その8 “果実との交換(2)” –債券投資 後編–
2011.08.09 [山田 英次]
それでは、この魅力的ではない金融商品の下取り価格、つまり時価は、どのように考えればいいのでしょうか?
その答えは、以下の表中にあります。
表中の赤い部分に書いてある数字、116.1万円が、ずばり、7年後の下取り価格です。
債券とは、借用証書であり、その借用証書は、『10年後に134.4万円をもらえる』権利書だと考えてみてください。
7年経過した今、残りの運用期間は3年となっており、その時に受け取れる満期金は134.4万円なのです。考え方としては、『金利5%が確保できる状況で、3年後に134.4万円をもらう為には、いくらの元本が必要か』ということになります。
つまり、下取り価格(=時価)とは、満期金から逆算して(割り戻して)導き出される数字になるのです。
少々極端な例かもしれませんが、金利3%で100万円を10年間貸すこととした1年後に、市場金利が5%にあがってしまった場合は、下取り価格が86.6万円になってしまうことになります。
なお、逆に金利が下がった場合、下取り価格は、あがる形になります。
金利3%で100万円を10年間貸すこととした1年後に、市場金利が1%に下がった場合は、以下の表のようになります。1年後には、122.9万円で買い取ってもいいと言う人が、現れるということです。わずか1年で22.9%の利回りですから、この場合は、素晴らしい投資成果だったということになりますね。
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