第12回
その11 “果実との交換(5)” –株式投資 後編–
2011.09.27 [山田 英次]
指標③ ROE…どれくらい効率的に利益を生み出している??
3つ目は、その企業に投資されている金額に対して、利益がどの程度の率となっているかを表す指標です。この指標のことを自己資本利益率といい、一般的にはアルファベットでROEと表記します。
⇒ ROE = 自己資本利益率 = 税引き後利益 ÷ 株主資本 (%)
例えば1000万円をかけて開業した、2つのラーメン屋(AとB)があったとします。そして、Aは毎年100万円の利益を、Bは200万円の利益を生み出している状況だった場合、AのROEは10%、BのROEは20%となります。
当たり前ですが、Bのラーメン店の方が(味がうまいかどうかは分かりませんが)、利益率の高い優秀な経営をしているということになります。
以上、3つの指標についてお話をしてきましたが、これらの大切な指標は、全て、企業の決算書から計算できるものです。
これから、株式投資をやってみたいと考えている人は、ぜひ、自分が知っている企業の決算書を見て、自分で計算機を使ってそれぞれの指標を比べてみてください。
ちょっとずつ、『株価が何を語っているか』が見えてくるかと思います。
なお、蛇足ですが、9月上旬の新聞記事に『野村証券と大和証券の株価が初めて逆転された』という内容の記事が載ったことがありました。この記事は、ただ、単純に国語的に事実を伝えているだけで、意味はないとは言いませんが、本質的なものではないことも、付け加えておきましょう。なぜならば、株価とは、株を多く発行したり、分割したりすれば、簡単に下がってしまうからです。どうせならば、前述の3つの指標の時系列データなどを比較すると面白かったかもしれませんね。
さて、今回で株式に関する基礎知識は一段落としたいと思いますが、ここで、終わってしまうと、このコラムを読んだことをきっかけに大損してしまう方が続出する可能性があります。ですので、次回、番外編として、株価の変動と投資スタイルについてのお話を付け加えたいと思います。
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