第22回
その21“目標収穫高の設定”
2012.06.19 [山田 英次]
やはり、自分よりたくさんの利益を手にしている人がいると、面白くなく思う人が多いようです。銀行預金の金利である2000円に比べれば大きく見えた100万円でしたが、だれかが自分の倍の金額をもうけていると、その100万円は小さく見えてしまうのでしょう。
従って、皆さんが資産運用に臨むときは、自分の利益を他人の利益やほかの金融商品とあまり比べないようにした方がよいと思います。この不景気においても資産運用の世界には強者がいますから、自分よりたくさんもうけている人はたくさんいるのです。つまり、上を見ればきりがないのが運用益の世界でもありますから、自分の運用益を他人と比べてばかりいても仕方がないのです。
それでは、何を目標にすれば自分が満足できる利回りになるのでしょうか?
オンリーワンの目標利回りを持とう
お金は、金融機関に預けていれば、かさばることもありませんし、泥棒に取られてしまうこともありませんから、あればあるだけ嬉しいものかもしれません。
でも、あればあるだけ嬉しいからと言って、資産運用において「できるだけもうけたい」と考えるのは軽率です。なぜなら、これまでのコラムでも触れてきた通り、高いリターンを望めば、高いリスクを伴うという当たり前の状況に陥っていくからです。
もちろん、ハイリスクハイリターンの投資を否定するつもりはありませんが、できるだけもうけたいと考える人は、どうしても「ハイリターン」のほうだけに目が向きがちなのです。そして最終的に、気付いていなかった「ハイリスク」に足元をすくわれ、大けがをしてしまう人が多いのです。
人と比べてばかりでは、落とし穴にはまってしまう可能性が高まるばかりで、「よい結果」を導き出すことは、到底期待できないのです。
資産運用にチャレンジするのであれば、上には上がいるのですから、きりのない基準と戦うのではなく、自分自身で設定した目標利回りを基準として臨む姿勢が大切です。
ここで大切なのが、自分で納得できる目標利回りの設定ですが、これには根拠が必要です。
そこで、皆さんに推奨したいのが、誰のためでもなく、自分の未来に経済的ゆとりをもたらすための資産運用です。
これは、平均寿命の年齢程度まで楽しく人生を過ごすための必要資金を計算し、それに対して準備を進めていく考え方です。
次回は、この必要資金を計算するための方法について考えてみます。
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