第13回
その12 “果実との交換(6)” –株式投資 番外編–
2011.10.11 [山田 英次]
株式投資のスタイル
このような理屈が頭の中で整理されたとしても、皆さんそれぞれの価値観や考え方にあった戦略を立てることができなければ、おそらく、皆さんのお金は減っていきます。
結局のところ、『自分がどんな波に乗りたいと考えているのか』を明確にして、それに合った合理的な行動をとることができなければ、顔も見たことのない第三者に利益はさらわれてしまうことになるのです。
ですから、まずは、皆さん自身が、どんなスタイルが合っているのかを考える必要があります。
早速ですが、代表的な3つのスタイルをみてみましょう。
≪デイトレード≫
非常に細かい波の動きの中から、利益をすくう作業を繰り返す投資方法です。基本的には、日々の取引(売買)を完結することになります。
常識的に考えれば、日々、企業価値が目に見える形で変化することはないはずですので、この手法で取引をするのであれば、覚悟を決めて、投資家の心理状態、需給バランスのみに意識を集中させるべきです。
その為には、一日中、パソコンの画面と対峙し続けることが求められます。また、取引が行われていない夕方や夜も、翌日の投資家の心理状態、需給バランスに影響を与える様々な要因に気を配り、分析することも求められますから、相当の時間が必要とされます。
株式投資以外に本業を持っている人には、困難な手法といえます。
≪成長株(グロース株)投資≫
「波」自体を自ら生み出していくような企業、または、企業群を発掘して、中長期保有を前提にして投資する手法です。
現在、または、将来的に、特定の国や地域をけん引するような企業に投資することを目的とします。
適切なアドバイスがあれば、という前提ですが、ビギナーでも比較的安心して、保有できるスタイルです。とはいえ、注目を浴びてくると、感情的に買われたり、売られたりという場面も増えてきますので、注意が必要です。
≪割安株(バリュー株)投資≫
本来のっているべき『波』から、置き去りになって放置されている株を発掘して投資する手法です。
前回のコラムでお話したPER、PBR、ROEなどの指標の他、様々な情報を分析する作業が必要となりますが、もし、この発掘ができれば、短期で大きな利益が得られる可能性があります。なぜならば、分析が正しければ、近未来に『みなが置き去りにされていることに気づく時』がやってくるからです。そうなると、価値の再評価は短期で行われることになり、あっという間に株価は上昇していきます。
この発掘は、とても難しいのですが、発掘さえできれば、あとは、皆が気付くまで待つだけですから、手間はかかりません。
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