第13回
その12 “果実との交換(6)” –株式投資 番外編–
2011.10.11 [山田 英次]
株式投資のリターン
代表的な3つのスタイルをみてみましたが、皆さんは、自分にはどのスタイルが合っていると思いましたか?
もしかしたら、『どれも言っていることは分かるけれど、自分には難しい』と感じている方もいらっしゃるかもしれませんね。
確かに、どのスタイルでもビギナーがいきなり安定的に利益を確保するのは難しいのですが、安心してチャレンジできるスタンスがあります。
それは、長期分散投資です。
株式投資で得られる利益は、より長期であればあるほど、分散すればするほど、瞬発力は失われていきますが、広い地域の中長期間の経済成長率の平均値に近づいていく特性があるからです。
言い換えれば『経済の成長率=株式投資の収益率』という式に近付くということなのですが、仮に経済成長率の平均値が一定であったとしても、皆さんご存じの通り、株価の推移が右肩上がりに一定しているということはありません。
つまり、いつも大なり小なりのブレが生じている訳ですから、『長期分散投資をするのもやはりリスクがあるから怖い』と考える人がいてもおかしくはありません。これは、『季節の変わり目に、明日の気温が今日より高いか低いかを当てるクイズに回答し続けるのは難しい』と考えることことに似ています。
でも、今から3カ月後の最高気温が、今日の最高気温よりも高いか低いかを考えて、判断を下し続ける作業であれば、大抵の場合、自信を持って答えることができるのではないでしょうか。
これが、長期分散投資の考え方です。
明日の気温の予想は気象予報士という専門家に任せておいて、自分は、数カ月後が今より暖かいか寒いかを、おおよそのイメージで考える…、そんなスタイルで株式投資に臨めれば、未来の収益に期待を持つことができるようになります。
目くじらを立てて、ファンドマネージャーや証券アナリストなどの専門家と真剣勝負をしても、恐らく、多くの人は勝つことができません。皆さんが株式の売買を行う相手の多くは、百戦錬磨の専門家であることに早く気付いて、ゆとりを持った姿勢でチャレンジしていただきたいと思います。
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