第15回
その14 “果実との交換(8)” –過去の果実–
2011.11.22 [山田 英次]
果実の平均収穫量(=平均利回り)をみる
さて、ここで『ふーん』で、終わってしまうと、皆さんが安定した投資効果を得ることは、難しいと思いますので、少し補足しますね。
皆さんには、先ほどの表の最下段に注目していただきたいと思います。
ここから読み取れるのは、以下の事実です。
今回のコラムの冒頭で、『どれを手に取るか的確な判断を続けるのは難しい』というお話をしましたが、もし、1991年からの20年間、4つの投資対象のうち、もっともパフォーマンスのよいものを選び続けることができたならば、その平均利回りは20.3%になります。同様に、いつも2位を選び続けたならば、その平均利回りは7.7%、3位を選び続ければ、-0.8%、4位を選び続けると-12.7%となります。
と、これだけだと、まだ『ふーん』の域を出ないと思いますので、もう少し補足しておきましょう。
仮に、皆さんが100万円を投資したとして、毎年20%の運用利回りを手にしたならば、20年後の皆さんは、38,337,600円を手にすることになります。平均的なマンションであれば、現金で購入することができる金額です。ですが、毎年-13%の利回りになってしまうと、皆さんの大切な100万円は、たったの約61,715円になってしまいます。
いかがでしょうか。
ちょっとビックリしませんか?
私の周囲には、毎年、10%程度の利回りを得ている猛者、投資家Aもいますが、毎年、10%くらいの損失を出している投資家Bもいます。
同じ会社で、同じ収入を得て、同じような生活をしているにも関わらず、その2人の20年後の保有資産は雲泥の差が生じているはずなのですが、今のところ、その自覚はどちらにもないようです。
10%の利益を出している投資家Aは、お小遣いの足しにして、使ってしまっているようですし、10%の損失を出している投資家Bは、その損失を笑い話のネタにしているだけで、気にしていないようです。
次回は、現金でマンションを買う為の方法、という訳ではありませんが、中長期的に、皆さんの保有資産を増やしていくための具体論に入っていきます。
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