第16回
その15 “果実との交換(9)” –過去の果実 その平均–
2011.12.27 [山田 英次]
分散するとどうなる?
それでは次に、複数の投資対象に分散した場合、その投資効果はどうなるのか、表を見てみましょう。
表の一番右側の列、ここの記載されている数値が、4つのベーシックな投資対象に均等に資金を投入した場合のパフォーマンスとなります。
最も資金が増えたのは2005年(20.2%)であり、最も減ってしまったのはリーマンショックがあった2008年(=-27.6%)です。
逆行性のある投資対象に分散すると、それぞれの単独のカテゴリーでみられたような、40%台、50%台の上昇も下落も見られなくなり、値動きの荒さはかなり抑制されることになります。ですが、それでも、たった1年で20%以上上がったり下がったりするのは、少々刺激が強すぎるかもしれませんね。
そこで、皆さんにお勧めしたいのが、『中長期的視野で臨む資産運用』です。
これは、『きちんと』分散投資をして、『きちんと』中長期保有をすれば、極めて安全に資産を増やすことができるスタイルとなります。
表の一番右側の列の最下段をご覧ください。
そこには3.64(%)という数字が見て取れるかと思います。
これは、過去20年間、4つのベーシックな投資対象への均等投資を続けた場合に得られる平均利回りとなります。
たった3.64%と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、100年に一度と称される金融危機を含めた20年間で計算された平均利回りが3%を超えているこの結果は、素晴らしく良好なものだと考えなくてはなりません。(資産が半分、1/3になった人が続出している状況下でも負けてない、だけでもすごいことなのです。)
なお、資産運用を上手に進めるためには、情報交換が必要不可欠です。でも、だからといって、自分がよい結果が出たとしても、決して友人を誘ってはいけないということも、覚えておいてください。
2006年、2007年辺りに、友人に世界株式への投資を勧めた結果、自分の資産と共に大切な友人という資産も半減させてしまった人は沢山いるのです。
投資は自己責任とはいえ、未だに関係の修復に悩んでいる方もいらっしゃることを考えれば、『人を誘わない』という姿勢も、大切なノウハウの1つであることがおわかりいただけるでしょう。
次回は、『きちんと』分散投資をする方法について、お話を進めていきたいと思います。
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