負けないぞ!賢者の資産形成術

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第26回
感情でお金と付き合わない

皆さん、こんにちは。
前回のコラムでは、30代半ばの会社員のキャッシュフローをモデルとして、目標利回りの設定方法について考えてみました。
本屋で資産運用に関する本を探すと、ハイパフォーマンスを期待させるものが多いことに気付くと思います。もちろん、それらの本に書かれている利回りが現実のものとなれば、とても素晴らしいことなのですが、たまたま幸運に恵まれた著者の偶発的な運用実績の披露だったり、運用に伴うリスクが一般人の許容範囲をはるかに超えるものであったりで、がっかりすることも少なくありません。 それでも、やはり「より高い利回りが欲しい」という方が多いからこそ、その類(たぐい)の本がたくさん並ぶのだと思いますが、皆さんには、前回のコラムの結論を思い出していただきたいと思います。
それは、「一か八かのチャンレンジをしなくても、キャッシュフローは改善できる」ということでした(前回のケーススタディでは、年利3%超の利回りがあれば、安定的な未来が十分手に入れられることが分かりましたね)。

利回りUPだけで、全てを解決しようとしない

「楽をしてお金をもうける」ことを目的とした資産運用には、ゴールがありません。
人の欲には際限がありませんから、結局「いつも」「もっと」もうけたいという気持ちに支配され、いつまでたっても満足できなくなってしまうのです。
もちろん、資産運用には様々なスタンスがあるので、そのような考えは否定しませんが、このコラムをご覧いただいている皆さんには、ご自身の資産運用を決してギャンブル化させない、すなわち「負けないことを最優先」するスタンスで、資産運用に臨んでいただきたいと思います。
ただし、この「負けないことを最優先」するスタンスでは、残念ながら年10%を超える利回りを期待することは通常できませんから、運用をスタートする際に、その運用手法の特性について納得しておく必要があります(この運用手法で期待できる利回りの詳細ついては、第6回の記事をご参照ください)。
なお、もし10%以下の利回りでキャッシュフローが改善しない場合は、運用利回り以外の解決方法を考えた方が得策です。

キャッシュフローの改善には、下記の3つの方法があるのですが、3だけで全ての課題を解決するのは難しい場合が多々あります。
1では働く人数や時間を増やして世帯収入を上げることを検討し、2では毎月の生活費を減らしたり、家や車、旅行などのグレードを下げたりと、苦痛を感じることなく削減できる支出項目を検討します。

1.収入を上げる
2.支出下げる
3.利回りを上げる

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