賢者の家計改善術

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第5回
夢のマイホームは、夢なのか(前編)

■賃貸住宅と持ち家は損得なし?

「賃貸住宅と持ち家は、どちらがお得なのですか?」
これはおそらく、私がファイナンシャルプランナーになってから最も多く頂いたご質問だと思います。それだけ分かりにくい問題なのですが、実際には損得はありません。これが答えです。
と言うと、「えっ!?」と思われる方もいらっしゃるかと思いますので、今回は具体的に損得がないことを、ケーススタディを用いて立証していきたいと思います。
ここでは、平均的な3,500万円のマンションを購入することを考えてみます。投入する頭金は1,000万円とし、購入時の諸費用は考慮しないものとします。

さて、この一般的なマンション購入プランの場合、最終的に負担する金額はどの程度になり、また残る資産はどのようなイメージなるのでしょうか。下記をご覧ください。


ローンの金利は、計算すればすぐに分かります。
2,500万円を固定金利3%で借り入れ、35年間で返済しようとした場合、月々の返済額は約96,200円となります。この累計、つまり返済総額は約4,040万円となります。
また、マンションを購入すれば、管理費や修繕積立金など付随する費用負担も求められますが、仮にこの金額を月2万円、つまり年間24万円とした場合、35年間で総額840万円の負担となります。
これを合算すると、約4,880万円となります。つまり、約5,000万円のお金を使って、3,500万円の住宅のオーナーになったということです。

さてここで、このお金を使って賃貸マンションに住み続けるという選択をした場合も考えてみたいと思います。
すると、下記計算式から分かる通り、約116,000円の賃貸マンションに住み続けることが分かります。

4,880万円 ÷ 35年間 ÷ 12カ月 = 約116,000円

いかがでしょうか。3,500万円のマンションと、家賃116,000円のマンション。なんだか似たようなグレードだと思いませんか?
結局のところ、どちらも変わらないのです。

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