第7回
震災ショックが消費者を変えた
2011.07.19 [斉藤 ヒジリ]
そこで、ちょっとした例を取り上げます。
今回の震災を契機に、多摩方面に人気が集まっているとの報道などがなされています。理由は、より地盤が安定していることなどが要因だそうで、現在、このエリアでは供給が追いつかず、2割以上も値上がりしている物件もあるようです。これに飛びつくことは要注意です。今までのトレンドが「都心回帰」でしたので、この流れに逆行しているためです。
今の人気が震災後のパニック的な流れであり、このトレンドが一時的なものであったとしたら、将来は値崩れする可能性が十分に考えられます。こうしたリスクがあることもしっかり認識しておきましょう。
余談ですが、この流れをあざ笑うかのように、最近、「立川断層」の地震発生確率が高まっているというニュースが流れました。埼玉県飯能市から東京都青梅市、そして立川市・府中市、武蔵野市といったまさに人気の多摩方面で、M7.4程度の直下型地震が起こりうるという報道です。要するに、首都圏ではどこにおいても、地震のリスクは避けられないということです。
過剰に不安を持ったり、神経質になったりするよりも、冷静にクオリティの高いマンションを選ぶことが賢明だということです。建物の安全性は、今度の震災で証明されているのですから。
市場全体の価格についてお話しすると、私がウォッチしている現在販売中のマンションのいくつかで、正式発表段階において予定価格から若干下げられているものが見受けられます。従って、市場全体としては変化がないといっても、個々のマンションによっては違いがあるようです。
私としては、しばらくは震災の影響を受け、若干調整の時期が続くのではないかと想像しています。
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