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第28回
小規模マンションでも大事なのは立地

前回に引き続き、首都圏優秀マンション表彰の各部門賞をご紹介しましょう。
今回は、都心小規模部門と郊外大規模部門です。それ自身で良好な環境が生み出せる大規模マンションと違い、小規模マンションの価値は、周囲の環境に大きく影響を受けるものです。したがって、都市小規模部門で受賞したマンションも、好立地のものが上位を占めました。
これらの受賞マンションをみると、やはりマンション選びにおいて立地というものがいかに重要かを感じます。興味のある方は、一度現地をご覧になってみると、今後のマンション選びに役立つことでしょう。

■各部門優秀賞

<都心小規模>
1位:プラウド上原(東京都渋谷区/野村不動産)

このプロジェクトが発表になったとき、きっと良いものになるだろうと感じました。当時、野村不動産のプラウドシリーズでは、上原のほか、恵比須、代官山でもプロジェクトが進行しており、いずれも好立地だったことから、「渋谷区3部作」と呼ばれていました。
その中でもプラウド上原が評価されたのは、何より立地が良かったことです。渋谷区でも名高い、上原2丁目。周囲と比べ、高台で、比較的区割りの大きな邸宅街です。このエリアで一定規模のマンション用地はそうそう出ないため、まずは希少価値が高いと思いました。
売主は野村不動産。10年ほど前からマンション分譲事業に力を入れており、「プラウド」シリーズは一般的に認知されてきました。このプラウド上原では、共用廊下は内廊下とし、吹き抜けを設けて、廊下側居室のプライバシーに配慮がなされています。プラウドシリーズでも力作の部類に入るはずです。
総戸数は57戸で、当然ながら即日完売しました。土地の人気を考えても、当然といえる結果です。立地プラス売主の総合ポイントが高く、目の肥えた人々から人気を集めたのでしょう。 震災後、地盤の堅固な低層のマンションに人気が集まっていることもあり、そうした意味でも高い価値を持つことになりました。
しかしながら、私はメルマガでの推奨を見送りました。間取りは、形状が悪く縦長で、廊下の長いデザインだったことから、疑問を感じました。価格についても、プレミアム分が上乗せされていると思われるほどの高価格であったため、投資対象としても不安があります。私の評価としては、立地◎、価格△、間取り×、といったところでしょうか。私としては少し残念な印象を持ちましたが、首都圏マンション表彰においては小規模部門での1位ですから、ここは意見が分かれるところです。

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