第31回
2LDKのススメ
2013.03.26 [斉藤 ヒジリ]
■最近のトレンド
近年の少子高齢化に伴い、マンションも変化してきました。
かつては3LDK中心でしたが、最近は夫婦のみや子ども一人のみの家族向けの2LDK、また単身者向けの1LDKといった間取りが増えてきています。この先もこの傾向は続くでしょう。
高齢化が進み、高齢者がこれからも増加することを考えると、今後のニーズは2LDKが中心になってくると思います。
3LDKより2LDKを選ぶことによって、住宅コストを抑え、ほかのことにお金を回すこともできます。浮いたお金を運用したり、将来のリスクに備えたりするのです。この考え方は今、多くの人に広がりつつあります。
また、2LDKは売るときに売りやすく、場合によっては広い部屋よりも高い価格で売れる可能性もあり、資産価値としても高いのです。
■家族構成の変化を考える
2LDKという間取りは、家族構成の変化に一番対応しているともいえます。
最初は夫婦のみだったのが、子供が一人生まれ、また一人生まれ、四人家族になったとします。この時点で必要な間取りは、主寝室と子供部屋が二室の3LDKです。
しかし子供が巣立つまでの期間は、長い目で見るとそう長くはありません。子供が巣立てば、また元の夫婦だけの生活に戻り、2LDKで済む期間の方がずっと長いのです。
子供が巣立った後、夫婦それぞれで部屋を持ったとしても、3LDKだと確実に一部屋余ります。さらに夫婦のどちらかが亡くなり、単身になった場合、3LDKでは明らかに持て余してしまうことになります。
年をとり、部屋の掃除の負担などを考えると、部屋数はできるだけ少ない方が良いでしょう。そう考えると、2LDKはベストな間取りだといえるのです。
■日本の3LDKは2LDKだった?!
中和室(間取りの中央に位置する窓のない和室)が日本のマンションには非常に多く見られます。
マンションのファミリータイプといえば、多くがこの中和室のある3LDKです。しかし窓がありませんから、人がそこで常時過ごせる部屋とはいえません。実際は、客間や赤ちゃんを世話するための部屋、また物置スペースとして利用されていることが多いです。
となると、中和室を含む3LDKは、広い2LDKともいえます。言い換えれば、無駄に広い2LDKを非効率的に使っているともいえます。
であれば、初めから2LDKを選び、住宅コストを抑えるべきです。ざっとした計算ですが、それだけで4~600万円程度は違ってくるはずです。これは大きな差だと思いませんか?
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