佐藤功社長

介護されるまで生きていたくないなんて、率直だなぁと思いました。こういう言葉って誤解されやすいし、なかなか口にしづらいものだからです。

もちろん私も、介護される側になるのはいやです。特に認知症はいやです。
祖母はアルツハイマー型認知症で、94歳で亡くなりましたが、70代で発症以来亡くなるまでの日々は、家族の心に修復不可能なほどの傷を残しました。それを思うと私は、暗たんたる気持ちになるのです。いざとなれば私だって、たとえどんな状況でも生きていたいと思うかもしれないし、母には介護状態になろうがどうしようが長生きして欲しいと思っています。

(でも、最近認知症の名医に取材したところ、10年以内に特効薬ができそうだと言っていました。待ち遠しいです!)

だからこそ、リアリティーのある言葉で介護される側の気持ちを代弁してくれる社長がつくるホームってどんなふうになるんだろうと興味を抱き、継続取材してみたいと思ったのです。

さて、そんな佐藤社長の会社…LIXILは「リクシル」と読みます。
最近「リクシルって知ってる?」というTVコマーシャルが頻繁に流れているので、知ってる人も多いのではないでしょうか?
トステムなど、「住まいと暮らしのトップ5ブランドがひとつになった、総合ソリューション&サービス・プロバイダー」なのだそうで、株式会社LIXILシニアライフカンパニーは、介護付有料老人ホームなど、高齢者の住まいに関する事業(会社の理念的には「生きる」の部分)を担っている会社です。

東京で『フェリオ多摩川』『フェリオ成城』の2施設、福岡で『フェリオ天神』『フェリオ百道』『レジアス百道』の計5施設を展開中。

佐藤社長は昨年4月から、当時旧態依然とした状況のなか方向性が定まらず、閉塞的な「負のスパイラル」に陥っていたシニアライフカンパニーの社長に就任。私がお会いしたのは昨年の晩秋。そしてこの夏、当初は空きが目立っていた施設は、1年足らずで満床になったと聞きました。