第8回
某大手グループの有料老人ホーム もう1つの自宅として、家族も気軽に訪れるホーム
2011.09.06 [木原 洋美]
レクリエーションは「一反もめん」
そんなわけで、今回ご紹介するホームでは、ホーム長のKさんにお話を伺いました。(俳優の岡田義徳に感じが似ている優しそうな方です)
まず興味を惹かれたのは、レクリエーションについてです。
レクリエーション・イベント予定表に『カーリング』『一反もめん』と書いてあったからです。
(老人ホームでカーリング? スケートリンクは???)
(一反もめんって妖怪だよね。肝だめしをするの???)
「カーリングは、細長いスティックで、円盤をつついて、レーンの上を転がして、サークルの中に入ったら得点が入るスポーツです。ホッケーに近いのかもしれませんが、前回の冬季オリンピックの際に、日本の女子選手の活躍を見て考案したのでカーリングという名前になりました。
一反もめんは、うちわでトイレットペーパーをあおいでやる、バレーボールみたいなものです。あおぐ音がすごいし、盛り上がりますよ。近所にもう一軒、姉妹ホームがあるのですが、そこと対抗戦をよくやります。こういう交流は社会性の維持にも役立ちますので大切にしています」
なるほど、オリジナルのスポーツなんですね。楽しそう。ネーミングもユーモアを感じます。
「レクリエーションは毎日、何かしています。認知症で症状が進んでいる方は、自分で1日のリズムをつくれなくなりますので、私たちの方でおつくりするようにしています。レクリエーションはその一環ですね。行動パターンができるように、それから寝たきりにならないで、生活活動量をあげてもらうためという意味もあります」
認知症の話が出たので、「認知症のご入居者は何人ぐらいですか?」と尋ねたら、
「短期記憶障害までふくめたら6割ぐらいの方は認知症です。食事を食べたかどうかわからないような方は3割ぐらいですね。そういう方でも、見守られていると感じてくださると落ち着いてくれますので、ほかのお客様にご迷惑をかける方はほとんどいません」
と、よどみのない返事。
日ごろから、認知症ケアについて考えている証拠です。
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