第5回
ロングライフ梶ヶ谷 “モーション&エモーション”を実践するホーム
2011.07.19 [木原 洋美]
要介護の入居者も一緒にハワイ旅行する理由とは?
大浴場は人工温泉。奥には歩行浴ができる手すり
付きの深い浴槽があり、みなさんせっせと楽しみ
ながら、健康づくりをしているそうです。
「モーション&エモーション」という言葉が好きです。
「心を動かすと、身体も動く。身体を動かすと、また心も動く」そんな意味合いなのですが、今回ご紹介する『ロングライフ梶ヶ谷』を訪問した際、この言葉を思い出しました。
(後でホームのパンフレットを見たら「心が動けばからだが動く」を大切にしていると、いうようなことが、しっかり書いてありました)
こちらのホームの母体は『日本ロングライフ』という会社です。20年以上前から「介護一筋」で歩んできたとのことで、現在、関西を中心に20施設。来年新たに2施設がオープンするほか、この秋には中国・青島へ海外進出も果たすそう。
「日本の上質なケアサービスを世界に広めたい」と意気込む同社の施設では、モーション&エモーションな取り組みを、大きな括りとして『グッドフィーリング(顧客満足)』の思想と表現しています。
たとえばレクリエーション。
『たび倶楽部』という旅行の会が催されており、国内外に出かける機会を設けています。
海外はハワイ、上海など。
「体力に自信のない方や認知症をお持ちの方も、万全のサポート体制でお連れしています。ご入居者様には、もう二度と海外旅行は出来ないと諦めていた方もいらっしゃるので、本当に喜んでくださいます。
旅行という、心が弾む出来事が待っているということで、体力をつけておかないと…と積極的に散歩に出かけられるなど、日常生活にも張りが生まれるようですよ。
また認知症の方は、環境の変化に弱いといわれますが、いつもお世話しているスタッフが同行して安心できる状況なら大丈夫なんですね。非日常体験は、とてもよい刺激になるようです。ご病気の進行具合によっては、お連れ出来ない場合もありますが。」(ホーム長さん)
そういえば、昨年亡くなった私の義父も、何十年ぶりかで故郷である四国へ出かけた際には、一カ月前から食事と運動に気をつかい、体調管理に取り組んでいましたっけ。
脳梗塞を患い、片麻痺があった義父にとって、飛行機に乗らなければならない旅に出かけるのは、家族の付き添いがあっても、すごく勇気がいることのようでした。
でも出かけて、無事戻った後は、ことあるごとにその旅の話をしていて、私たちは、連れて行ってよかったと心の底から思っています。
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