第2回
パールヴィラ新井薬師 「神は認知症ケアに宿る」かも
2011.06.07 [木原 洋美]
「ご入居者と話すのが大好き」な施設長がいるホーム
4月ごろ、東日本大震災の避難所で、認知症高齢者やそのご家族が、肩身の狭い思いをしているというニュースがテレビで報じられていました。私の実家は宮城県にあり、アルツハイマー型認知症を患っていた祖母は数年前、南三陸町の志津川病院で生涯を閉じました。それだけに、このニュースにはいっそう、胸が締め付けられる思いがします。
認知症高齢者の介護は、平時の一般家庭でも、大変ですよね。介護に困惑し、疲弊しきっている話や、老老介護などが招いた悲惨な話もよく聞きます。
私はそういうご家族に対して「頑張り過ぎないで」と声をかけたいですし、認知症になった親御さんなどを安心して任せることができる有料老人ホームをご紹介してあげたいと切に思います。そこで思い浮かんだのが「パールヴィラ新井薬師」でした。
「ご入居者とお話するのが大好きなんです。認知症の方にも助けていただいたり、教わることが多々あります」
見学に訪れた日、施設長さんはそう、顔を輝かせて言いました。
その言葉がセールス・トークでも強がりでもないことは、イキイキとした表情から伝わってきましたし、施設内を案内していただいた際の、ご入居者とのやりとりを見ていても判りました。
ただ、私は疑り深いので質問してしまいました。
「だけど、認知症ケアは大変という方が多いですよね。手間もかかるし、精神的な負担はどうなのでしょう?」
すると・・・
「あまり感じませんね。むしろ、ご入居者の思いやりのこまやかさに、癒されることのほうが多いです。私が落ち込んでいるときなど、表に出さないようにしているのに、(ご入居者から)どうしたの?と聞かれて驚いてしまうこともあります。勘が鋭いというか。衰えている機能に反比例して、向上している機能もあるのではないでしょうか。感受性とか」
とのこたえ。いいなぁと思いました。
相手の言動は、自分の言動を映す鏡だと私は思います。
ご入居者が、施設長さんを思いやってくれるのは、日頃の心を込めたケアの積み重ねがあればこそだと思ったからです。
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