フロム・ナウ流 有料老人ホームガイド

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第17回
頑張った人生へのご褒美のようなホーム〈高齢者マンション・サンシティ横浜〉

脳梗塞で倒れた後も自立生活が可能

さて、
「私、本当にここに入ってよかった。ものすごくあちこち探して見つけたのよ」
と大満足のMさんでしたが、数年前、脳梗塞(こうそく)に倒れ、目がほとんど見えなくなってしまいました。

容態が安定し、一人暮らしができるようになるまでは同じ建物内の「サンシティ横浜ロイヤルケア」介護室で数か月を過ごし、先日ようやく自室に戻ったというので、再訪問しました。すると、すっかり気弱になったMさんが、介護室で受けたこんな「仕打ち」について話してくれたのです。
「私ね、こんなに情けない気持ちになったことないわ。介護室のスタッフはみんないい人だったけど、一人だけいじわるな看護師さんがいたの。その人がね、たとえば私にバッグを持ってくださいっていうの。でも私は目が不自由になってバッグがどこにあるか見えないから、バッグはどこですか?って聞いたら、そこにあるでしょって。そこって言われても、見えないから分かりませんって言ったら、ほらこれですよって腕にバッグを押し付けたのよ、ぐいってね」

Mさんは思い出して涙目。
「目が見えないのを知っているのに、万事そんな感じなの。もう怖いやら、情けないやら。で、おいっ子に話したらクレームを入れてくれたの。でも、全然変わらないのよ。私、今度倒れて、またあの人に看護されることになったらと思うと怖くて怖くて…」

あんなに素晴らしい施設でも、そんなことがあったということには驚きました。
でも、これはMさんの一方的な感想です。目が急に不自由になったMさんが、ナーバスになり過ぎている可能性も大いにあると思います。

視力は落ちたものの、スタッフと同施設内の友だちに支えられ、Mさんは今も自立した生活を継続しています。
「食事時になるとお友だちがね、食事に行きましょうって誘いに来てくれるの。助かるし、全然寂しくないのよ。ここはみとりもしてくれるし、認知症になっても大丈夫。やっぱり入ってよかったわ」(Mさん)
私も娘も、経済的に許すなら、老後はこんなところで暮らしてみたいと思っています。

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