第20回
“手厚い介護”のお手本〈介護付き有料老人ホーム・フェリエ ドゥ 横浜鴨井〉
2012.07.24 [木原 洋美]
フリーペーパーに掲載されている一覧表。これは役に立ちます。病院のソーシャルワーカーにも活用されているようです。
役に立つのはやはり、客観的な情報です。
たとえばフリーペーパーでも、なかには「介護体制」「リハビリ体制」「受入実績・体制」の一覧表が掲載されているものがあります
「看護師24時間常駐」なら、健康状態がすぐれない場合でも受け入れてもらえるし、悪化した際にも安心です。
リハビリも、PT(理学療法士)、OT(作業療法士)、ST(言語聴覚士)、NS(看護師)がいるかいないかでは質が変わってきます。
紹介文はどの施設でも「介護は手厚く」、「リハビリには力を入れている」ものなので、そこは飾りのない情報を判断基準にしたいものです。
今回ご紹介する「フェリエ ドゥ 横浜鴨井」は、「看護師24時間常駐」で、医療依存度が高い人の受け入れも可能なところが特色のホーム。
取材した際、「すばらしい」と感心したことがありました。
『腹膜透析に対応』が物語る介護
みなさんは「腹膜透析」をご存じですか?
腎臓疾患を患い、腎臓の機能がすっかり低下して、末期腎不全に陥ると、「透析療法」が必要になります。
腎臓は、血液中のゴミを濾(こ)して、キレイにする働きがあり、その働きを果たせなくなるのが末期腎不全。
腎臓に代わって、血液をキレイに掃除するのが「人工透析」です。
2つの透析療法 | 腹膜透析(PD) 腹腔内に溜めた透析液を出し入れすることで血液を浄化 |
血液透析(HD) 血液を体外に取り出し、 器械で血液を浄化 |
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APD (エーピーディー) |
CAPD (シーエーピーディー) |
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治療場所 | 自宅など | 自宅や職場など | 透析医療機関 |
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治療する人 | 本人や家族 | 本人や家族 | 医療スタッフ |
通院回数 | 月1~2回 | 月1~2回 | 週3回程度 |
治療にかかる 時間 |
1回8~10時間(就寝中) | 1回約30分 1日約4回 | 1回4時間程度 |
導入前の準備 | カテーテルを埋め込む手術 | カテーテルを埋め込む手術 | シャントを作る手術 |
尿量 (残存腎機能) |
比較的長く維持される | 比較的長く維持される | 導入後短期間で減少する |
食事制限 | 塩/水、リン | 塩/水、リン | 塩/水、カリウム、リン、 蛋白質 |
日常生活 | 時間的拘束が少ない | 時間的拘束が少ない | 時間的拘束が多い |
旅行・出張 | 薬剤等があれば、どこでも旅行可能 | 事前に旅行先の透析施設の 予約をとる |
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入浴 | お腹のカテーテルをカバー するなど多少の注意が必要 |
お腹のカテーテルをカバー するなど多少の注意が必要 |
透析日は避ける |
注意すること | カテーテル周囲や腹腔内の 感染 |
カテーテル周囲や腹腔内の 感染 |
シャント部の感染 |
* APDは体の状態に応じて昼間の交換が追加される場合があります。
* 治療法はいつでも変更することができます。
事情はいろいろあるのですが、日本の行政も含めた医療体制が「患者本位」になっていないせいであるのは確かです。
そんななか、なんと「フェリエ ドゥ 横浜鴨井」の施設長さんは、
「うちはホーム内で血液透析をすることはできませんが、腹膜透析ならできますよ」
とさらりと言ったのです。
血液透析は病院で行うものですから、老人ホームで行えないのは当然。
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