フロム・ナウ流 有料老人ホームガイド

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第27回
総戸数246戸。大手医療系法人が運営する介護付き有料老人ホーム「クラーチ溝の口」

名前は何度か変わったけれど

内閣府が6月14日に発表した平成25年版の高齢者白書によると、団塊世代で「いまの自宅に住み続けたい」と希望する人の割合は、全体の8割にのぼるそうです。
背景には、この世代の持ち家率の高さがあるのでしょうが、私のように快適で安心な有料老人ホームを数多く見てくると、「お財布事情が許せばぜひ、質の高い有料老人ホームに入りたい!それも元気なうちに入居して、至れり尽くせりの環境を満喫し、ヘルシーな長生き生活を楽しむのもいいなぁ」と考えるようになります。

今回ご紹介する「クラーチ溝の口」(川崎市高津区)も、そんなハッピーな妄想が膨らむ施設です。
この施設の最大の特徴は、運営会社のクラーチが大手の医療系法人キャピタルメディカグループの一員だということ。
キャピタルメディカは、全国20以上の病院の経営支援を行っており、病院の管理・運営体制の再構築、近隣施設との連携作りを病院の職員の方と協業しながら推進しています。
昨今は病院運営にもビジネス感覚が求められる時代。大手で、病院経営に長けた企業体が運営しているというのは頼もしいと思います。

実はこのホーム、何度か名前が変わっています。クラーチになる前はチャーミング・コート、その前も確か違う名前で、運営も違っていました。
病院同様、老人ホームの運営も、そんな簡単なモノではないはず。
2000年に介護保険制度が施行されて以来、この分野には異業種からの参入の動きが活発ですが、ひどいホームも多いので注意が必要です。特に、高い入居一時金を支払ったのに運営母体が倒産してしまったら…入居している方の心細さは大変なモノでしょう。
幸い「クラーチ溝の口」は、名前は変わっても、サービス内容はむしろ向上したようですし、月額管理用等に変更はないようで、よかったと思います。

クリニックがあるホーム

6月のある日の昼食。見た目も味も、高級料亭のよう。
通常食は朝食360円・昼食490円・夕食850円です。

同ホームのホームページには、
「医療の現場を知り、高齢者にとって必要な医療を理解している会社が運営を行っているので、実際に施設で提供される介護・医療サービスも高齢者のニーズに合致するものを提供することが可能です」
とありますが、なかでも私がいいなと思うのは、玄関脇にクリニックが、さらにその奥には整骨院が開設されていることです。

このクリニックは、16床の入院施設をもつ在宅療養支援診療所「メディクスクリニック溝の口」のサテライトクリニック。
入居者は、施設の外に出ることなく受診できる手軽さと、ホームドクターが身近にいる安心感を享受することができます。
また、「メディクスクリニック溝の口」には24時間看護師が常駐し、夜間・休日も医師が当直しているため、もし入居者が居室内で体調不良になった場合、室内の緊急コールボタンを押せば、スタッフがすぐに駆けつけてくれます。

「病院との連携」の強さは、どの施設もうたっていますが、実際問題、病床が足りない現状では、救急時のたらい回しはちょっとやそっとの連携では防げないように思います。 その点、入院施設を持つクリニックのサテライトクリニックがあるというのは、とても心強いのではないでしょうか。

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