実例で学ぶ事業承継のポイント

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第9回
「家族会議」──信頼できる第三者を入れて始めよう

この第三者を入れた形での会話を重ねることで、多くの親子が意思疎通を改善することができました。
あるオーナーからは、「息子がここまでしっかりした考えを持っているとは思わなかった。感心した」と喜ばれました。
また、あるご子息には「父がそこまで真剣に悩んで、いろいろと考えてくれているとは思わなかった」という率直な感想を述べられました。

この下地ができると、あとは実践です。
例えば「週1回は必ず2人でランチをする」という習慣付けをしたオーナーもいました。これもいい方法です。
しかし、十分に意思疎通ができる関係になっても、たまには私を交えて話をしたいと希望されるオーナーもいらっしゃいました。第三者が入ると、会話が新鮮になるようですね。

将来の経営者にとって大切な機会になる

もちろん、話すことだけですべてうまくいくことはありません。時には意見が合わない場合もあります。でも、社長が何に苦しみ悩んでいるのかを聞くことは、息子の人生にとって非常に貴重なものとなるのです。

いつか将来、長男が社長の跡を継いで、社長と同じ悩みに直面したとき、「悩みを切々と語っていた亡き父の姿」を思い出すことでしょう。そして、父上が乗り越えたように、長男も必ずやその困難を乗り越えていただけると信じてやみません。

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