家の収納は、個人の収納より、さらに注意深く考えなければいけません。家の物は意外に多く、また、大きな物になる傾向があります。季節用品である兜やお雛様、クリスマスツリーにお正月用品、扇風機やヒーターなどの冷暖房機器、お客様用の布団やレジャー用品など、たくさんの物が家の中には存在します。これはほんの一例ですが、家によってもっとたくさんの物があると思います。それらの物をどこに収納するかを考えていかないと家の中は片付いていきません。収納場所をどこに設けるかによって、家事の動線も決まってきます。

このことを頭に入れて、家やマンション販売の新聞折り込みのチラシをご覧になってみてください。残念ながら家の収納が考えられておらず、収納の少ない間取りが本当に多いことに気付くと思います。

住まいの中にある「物」は確実に以前より増えています。それなのに、いまだに見た目やデザインを重視し、住みやすい暮らしをご提案できていないとつくづく思います。家は作品ではなく、家族が暮らしやすく、安心、安全、機能的でなければいけないのです。この業界で仕事をする私としては、矛盾を感じることが多く、今現在も売り手市場であることを残念に思います。 今後は収納計画の進め方を場所ごとに書いていきます。