第10回
快適な空間をつくるために…
2011.09.27 [平岡 さなえ]
住まいとは、もちろん生活する場所ですが、物を収納する場所でもあります。決まった面積の中で、居住スペースと収納スペースのバランスをどう保つかがポイントです。
居住スペースが広ければ解放感があり、心にゆとりが持てるでしょう。しかし、それによって収納スペースが十分でないために物が納まりきらず、居住スペースに物があふれ出ている家がたくさんありました。反対に、収納スペースを広く取ったために居住スペースが狭く、しかし収納内部には空間がたくさんあり、もったいないと思う家もありました。
居住スペースと収納スペースのバランスを保つためには、ご自身のライフスタイルや持ち物を改めて見直す必要があると思います。
「持ち物量<収納空間+収納家具空間」
この方程式が成り立たないと、部屋は確実に片づきません。
つまり、雑然とした家のほとんどが
「持ち物量>収納空間+収納家具空間」
になっているのです。
そこから考えると、収納できる量に合わせて持ち物を減らすか、あるいは持ち物の量に合わせて収納を増やさなくてはなりません。
収納に合わせて物を減らすには限界があり、一時的に片付いたように見えても、いつの間にかまた物が増え、居住スペースを占拠しているパターンが多いので、後者の方が現実的といえます。
ただし、むやみに収納家具を増やすのではなく、「持っていたい物」だけを厳選し(つまり「持っていなくていいもの」は思い切って排除し)、それに見合った収納家具を足すようにしましょう。
整理整とんという作業は、時間がかかり、面倒くさいと思われる方も多いかもしれません。しかし、少しずつでもそれを心がけて実践していけば、日々の生活が機能的になりますし、空間の変化は気持ちのリフレッシュにもつながります。
ほんの少しずつで良いのです。
「空間を変える→心が変わる→快適な時間が過ごせる」
この図式になるように、できることから始めてみましょう。
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